モノ余りとカネ余りがFX市場に影響
これは大切なのですが、お金の流れで見ますと、モノ余り(経常収支の黒字)は輸出入代価の差引増加(入金超過)です。
一方、カネ余りは対外的にマネーが出ていること(資していることと言ってもよい)を意味します。たとえば、資本収支が大きくなれば対外的な資産、つまり外に出ているお金が大きいということになります。
このことを国際収支やFXで見ると、次のような構造になります。
つまり、輸出超過(経常収支黒字)は資本流出(資本収支赤字)が裏側にあるということです。同じように輸入超過(経常収支赤字)の裏には資本流入(資本収支黒字)があるということです。
輸出を多く行えば、たしかに黒字になるのですが、お金もちょうど反対に海外に輸出されていて(貸されていて)、それは資本として活用されているわけです。
こうしたモノとお金の関係が誤解を生みやすいのは、複式簿記の会計上の問題から来ているとも言えます。便利な表記なのですが、プラス・マイナスが実感としてとらえにくいのです。